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1on1ミーティングガイド (1on1ガイド)はβ版として公開しております

1on1ミーティングガイド (1on1ガイド)は未完成の部分も残したβ版として公開しており、今後コンテンツの追加やスタイルの修正などの変更が予定されています。 また追記やスタイルの修正だけでなく、現在記載されている内容が大きく見直される場合があります。

現在、修正が予定されていたり問題認識されている記載内容には以下があります。

  • 以下の未記載パターンのリンク切れ

    • アドバイスする前に話を「最後まで聴く」

    • お互いの共通項・違いを知る

    • あえて解決を急がず、状況を解明する

    • お互いの共通項・違いを知る

    • 無理に実施しない

1. 1on1ミーティングガイド (1on1ガイド)の目的と背景

2010年代に入ってから、仕事自体や、仕事に対する価値観が変化していってる。それに伴い、1on1ミーティング(以下、1on1)などで、定期的に話す場を設ける重要性が高まっている。
1on1には様々な形式がある。それに対して、必要となる根本的な部分・考え方の理解を促進するために、『1on1ミーティングガイド (1on1ガイド)』(以下、本書)を作成した。

私たちは、個の可能性を最大化することで組織の可能性を最大化できる、と考えている。また、各人や各組織で様々なやり方があることも、私たちは理解している。本書は、各人や各組織のやり方を否定するものではない。
そのため、本書は、1on1実践の正解を記した教科書ではなく、あくまで最低限必要な部分や、よりよいやり方を見つけるためのヒントを記載する。本書の内容を参考にしながら、それぞれで実践してもらうことを想定している。
想定読者としては、組織に1on1を導入したい人、1on1を実施する人、1on1を受ける人を想定している。

本書はコミュニティで執筆しています

本書はコミュニティのメンバーが共同で執筆しており特定の人によって完成されたものではなく、常に更新されるものです。また、出版される書籍の文章に比べて足りないと思うところはあるかもしれません。
よりよい内容となる記載のアイデアがあれば1on1guide.orgにご連絡ください。

2. 1on1の目的

1on1の目的は、第一に、組織で働く個人のパフォーマンス向上・維持である。
第二に、従業員と会社組織がwin-winの関係になるために、個人のモチベーションと組織の方向性をうまくすり合わせることで、組織自体の課題を解決することである。

3. 1on1の前提条件

1on1の前提として、2つ条件がある。1つは「対話であること」で、もう1つは「組織や業務のフィードバックループをつくること」である。 ※1

※1「フィードバックループ」の詳細は「 8, 用語集」を参照

3.1. 対話であること

よりよい「対話」をするために、意識することが3つある。

  • 「お互いを聴く場にすること」

  • 「互いの違いを認識すること」

  • 「対話自体のフィードバックループをつくること」

それぞれについて説明していく。
1つ目は「お互いを聴く場にすること」である。一方が話すだけ、伝達するだけでは1on1としては成り立たないということである。例えば、評価面談や会社方針の展開といった打ち合わせ・会議体は、実態としては1on1ではないケースが多いだろう。
2つ目は、「互いの違いを認識すること」である。同じ組織や部署であると、話が通じていると考えがちである。しかし、実際には異なる人間であれば、異なる考え方・捉え方をする。このことを意識をすることで、1on1がより良いものとなる。
3つ目は、「対話自体のフィードバックループをつくること」である。これは、まず受け手が反応を返すこと(フィードバック)、その反応を送り手が受け取ること、そして送り手が再度伝えることの一連の流れを意味している。このループを繰り返すことが大切である。

3.2. 組織や業務のフィードバックループをつくること

組織内に所属している以上、単に個々の事象では閉じない方がよく、組織の事象が絡むことが多い。
「組織や業務のフィードバックループをつくること」という条件では、3つの観点がある。

  • 組織や業務の課題や要望を伝えられている

  • 組織や業務の課題や要望に対する結果と理由を返している

  • 双方にフィードバックがある

4. 1on1の価値基準

1on1の実施に際しては、以下のような6つの価値基準を大切にしていると考えて、「 6, 本書の構成 」 を作成している。

  1. 人としての尊重

  2. 多様性の許容

  3. プライバシーの尊重

  4. 「中動態」的な態度 ※1

  5. 不確実性の受容

  6. 持続可能で小さな成長

以下の節では、それぞれ価値基準を満たすための振る舞いの例を記載している。

※1「中動態」の詳細は「 8, 用語集」を参照

4.1. 人としての尊重

  • 意見や振る舞いを尊重する

  • お互いの存在を認める

4.2. 多様性の許容

  • 異なる意見や考え方、特性を受け入れる

  • 苦手やできないことを受け入れる

  • 失敗やネガティブな事柄を受け入れる

4.3. プライバシーの尊重

  • 1on1で会話された内容には多くの個人情報があると考え細心の注意を持って情報を取り扱う

  • 1on1内部で話されたことで評価が決まってはいけない

  • 組織の改善という目的を忘れて、単に悪い秘密情報をつかむといった浅ましい行動をしてはいけない

4.4. 「中動態」的な態度

  • 互いの意思無しに起こってしまった状況を受け入れる

  • 問題の解決を難しくしているフォースや習慣を受け入れる ※2

※2「フォース」の詳細は「 8, 用語集」を参照

4.5. 不確実性の受容

  • わからないことをわからないことと受け入れる

  • そもそも組織で働く個人の考え自体、統一的なものはなく不確実である

4.6. 持続可能で小さな成長

  • 組織・現場で変化が起こる

  • 個人で振る舞いを選択して変化する

  • 無理のない変化である

5. 価値基準を満たすための行動

4, 1on1の価値基準」に挙げた価値基準を満たすため、以下のような行動が基本となる。

状況確認

以下のようなことを互いに確認する

  • 困っていること、悩みがあるか

  • 嬉しいことや楽しいこと

  • コンディション(体調、仕事の状況、モチベーション)

観察
  • 1on1の時間以外も含めて、相手がどんな状況にありそうか観察する

並走
  • それぞれの役割はあった上で、一緒に進めていく

  • 部分では牽引や伴走もあるが、全体では並走する

内省
  • 自分の状況を自分で把握する

  • 状況と事実と解釈をまずは話してみて、整理する

  • 主観と客観が混ざっていることを互いに踏まえる

6. 本書の構成

6.1. 本書の書き方

本書はパターンランゲージを参考にして書かれている。 パターンランゲージとは、ある分野や領域の実践者に繰り返し見られる振る舞いや行動を 「パターン(パターンランゲージ)」と名付けて、抽出したものである。
6.3, “記載内容について”」に挙げたような記載内容で言語化することで、知見が共有できると考え、この形で整理した。
※パターン(パターンランゲージ)についての詳細の説明は割愛するため、参考文献を参照して欲しい。

6.2. 本書の読み方

本書の読み方としては、以下を想定している。

  1. 「タイトル」と「はじめに」、「要約」を手がかりとして読む

  2. 「状況」や「課題」を読み、自分に当てはまりそうか、共感できそうかを検討してもらう

  3. それらの背後にある「フォース」も参考にする

  4. ここまでの内容に共感できたら、「解決策」や「結果状況」を読み進めることで、今後のヒントとなると想定している

  5. 具体的な行動については「使用例」を参考にする

  6. パターンは互いに関連し、補完し合ったり、相反したりするものがあるため、「関連パターン」を合わせて読むことで、より理解が深まるだろう

また、以下のような様々な用途で読まれることを想定している。

  • これから1on1を始める際に、一通り読んで参考にしていただく

  • 今実践している1on1で、近しい状況のものを重点的に読んでいただく

  • 6.4, “カテゴリー”」を見てもらい、興味の湧いたところを抜粋して読んでいただく

6.3. 記載内容について

タイトル

記載内容を簡潔に表す言葉やメタファー ※1

※1「メタファー」の詳細は「 8, 用語集」を参照

はじめに

サブタイトル的に内容を推測できるものとして、 どんな状況でどんなことをしてどんな価値を得るのかを記載しています。

要約

使用例を除く詳細をまとめ理解を促すものとして、 「タイトル」や「はじめに」ではわからない内容部分について簡潔にわかりやすく交えた説明をしています。

状況

パターンを適用するべき状況を表すものとして、1on1において対応が必要だと感じる顕在化した状況や1on1上で感じる小さな問題や課題を記載しています。

問題

上記状況を放置することで起こる問題もしくは、すでに上記状況に陥ったことで顕在化している問題として、1on1以外で起こる1on1で解決に向かえる問題を記載しています。

フォース

問題に至る背景として、問題が起きるほどの状況を生み出してもなお対応を躊躇う理由や状況を生み出す暗黙的な価値観や行動を記載しています。※2

※2「フォース」の詳細は「 8, 用語集」を参照

解決方法

適用を行う際の実際の抽象的な振る舞いを記載しています。

結果状況

適用が上手くいったのちに現れる状況や解決方法が成功した場合のリターンについて記載しています。

使用例

パターンを適用するべきタイミングや背景について、実際の状況などが思い浮かぶ程度に具体的な内容を記載しています。 内容についてはより具体的でありつつ、読者が自分なりの適用方法をその都度考えられるように大きな余地を残すように記載されています。

関連パターン

関連パターンは大きく分けて以下の二つがあります。

  • 当該パターンを補強したり補完する別のパターン

  • 当該パターンの逆のパターンなどを含む副作用・副反応を避けるために考慮すべきパターン

6.4. カテゴリー

1on1 Meeting Patterns

A.その場での振る舞い

1回の1on1を実施するにあたり、その場をより良くするために、準備したり、心構えしたりする。自分のタイプによって、積極的に動いた方がいいケースも、一旦聞き手に回るケースもあるので、心構え・スタンスに悩んだら一度目を通してみよう。

B.感情の取り扱い

1on1が業務の中で行われることから、話すトピックが事実の羅列になってしまうことで、単なる報告になってしまう。そうではなく、人が抱く感情の中に大事なことがあるので、お互いの感情を含めて話すことで、相手の感情への認識が生まれて、お互いに話すことに対する障壁が小さくなり、結果として、組織・個人にとって重要な事柄を話せることになる。

C.プロトコルづくり

1on1を円滑に進めるために、あらかじめ約束事(プロトコル)を決め、共通認識を持っておいた方がいい。組織単位・チーム単位のプロトコル・共通認識もあってよいが、1on1の当事者であるふたりの中でのプロトコル・共通認識を決めて実施するのがより良いだろう。※1

※1「プロトコル」の詳細は「 8, 用語集」を参照

D.間合い

1on1はそもそも人と人とのコミュニケーションなので、「適切なタイミングと適切な心理的(物理的)な距離感」=「間合い」で成り立っている。1on1を実施する誰もが、その時の状況に応じて、互いに「間合い」を調整し続けながら実施している。その中で、「間合い」を知識として頭に入れておき、探っていくことで、よりよい1on1になると考える。※2

※2「間合い」の詳細は「 8, 用語集」を参照

E.コンテキストの共有

同じ言葉でも、文脈・コンテキストが異なると違う意味になることもある。そのため、お互い共通の文脈(属している組織の話など)や、個人なりの文脈を共有することで、相互の理解が早くなり、互いの意図を間違えにくくできる。 ※3

※3「コンテキスト」の詳細は「 8, 用語集」を参照

F.問題や課題との向き合い方

問題や課題の1つ1つをタスクのように解決を急いだり、すべてを丁寧に取り組んだりすることが正解とは限らない。一旦仮置きしたり、状況を明らかにする方向に話を進めたり、本腰を入れて取り組んだり、様々な向き合い方がある中で、ベストと思われる向き合い方を選ぶ。

G.1on1プロセスの実行と運用

1on1で話の中身に集中しないといけない場面も多いが、もうひとつ客観的な視点で1on1プロセスを見て、実施内容を調整しよう。

H.1on1の外側

1on1には、1on1以外の事柄も重要なこととして関わってくる。そもそも、組織の構造や、1on1以外の時間の使い方や振る舞いとは不可分であり、1on1だけで解決するものではない。常に1on1以外の事柄も意識しながら進める必要がある。

7. 1on1ミーティングパターン

7.1. 一緒に場を作っていくことを確認する

はじめに

1on1の時間を今後どうしていくか、どんな話をしていくのかを改めてお互いが認識をする

要約

場の定義、目的を確認し、場を一緒に作っていくことを確認しあう

状況
  • 1on1に呼ばれた側が、なぜこの場が設定されたのか分かっていない

  • 暗黙的にどちらかが話題提供を求められる

  • 相手が話題提供するものだと待ってしまう

  • お互いがよくわからないまま進行している

問題
  • 話す場を設けたことが目的となって、何を話していいか困ってしまう

  • うまく話し始めることができない

  • 話が進まずに沈黙してしまう

  • 話してくれているものも、なんの話かわからなくなる

  • 世間話や上司からの説教タイムになった結果、嫌な状況が生まれる

フォース
  • 組織から1on1を実施することだけが求めれて、とりあえずやりだしている

  • 設定された側が必要性を感じていないことがある

解決方法
  • 場の定義を伝える、すり合わせする

  • そもそもどういう経緯で1on1が設定されて、組織としての目的をすり合わせする

  • 組織としての1on1目的に加えて、個人の成長などの2人の間で話しをどうフォーカスするのかなど一緒に考える

  • どう進めていくかを話す

結果状況

1on1という場を一緒につくることで、この場で話す意味を見いだせる

使用例
まず初回をやってみて

とりあえず1on1をやってみようとなってやってみたらよくわからない時間になってしまった。何を話していいかも、そもそもこの場に意味があるのだろうか。部下のための時間と思っていたけど、待っていても会話が進まなかった。
1on1をやることが先に決まってきて、そもそもどういう場だったのかお互いにわかっていなかったかもしれない。
今回は会社からいわれて上司である私から設定したが、近況を話す程度で雑談でおわってしまった。部下側はこっちがリードしてくれるだろうと思っていたかもしれない。
このままだとずっとただ雑談をし続けていて、やる意味を失いそうな気がする。会社にいわれたからやるというままでなく、改めて対話する場なのだから一緒にどういうふうに話していくかを考えるところからはじめてみよう。

やっていくうちに

1on1をやる目的や場についてすり合わせしたけれど、話しているうちにネタがなくなってしまった感じがする。当初より早く切り上げることが多くなった。早く終わることは必ずしも悪いことでもないのだけど、一旦原点に立ち止まって場をすり合わせる必要があるのかもしれない。

関連パターン

7.2. 相手を変えようとしない

はじめに

相手に変えて欲しいことがある。しかし、実際のところ他人から何かを言われたところで、変化するのは難しいのではないだろうか?相手を変えようとはせず、まずは、双方の理解を進めるようにしよう。

要約

1on1において、相手と信頼関係を構築しながら共に向上するためには、相手だけを変えようとしてはならない。対話の中で、お互いの認識を確認し合いながら、双方が自分自身の振る舞いやその結果について気づきを得ることによる成長機会を得て双方変わっていくことが重要だ。

状況
  • 1on1する相手に、何か問題を感じたり、期待に応えて欲しかったり、振る舞いを変えて欲しいと思ったり、気がついて欲しいと考えていたりしている

問題
  • 相手が望んでもいないのに自分の直してほしいポイントを言ってしまう

  • 相手だけに変容を求めて、相手を否定してしまう

  • 相手に対する期待が一方的に高く、それを押しつけてしまう

  • 信頼関係を破壊してしまう

フォース
  • 無意識に相手の価値観、言動を変えようとする

  • 「ダメなことは直すべき」という固定観念がある

解決方法
  • 相手を理解する姿勢をもち自分自身も変化しながら、信頼関係を構築する

  • 相手の課題について「改善したら嬉しいな」と脇におく

  • 自分が望むような変化が叶わない本質的な理由を理解しようとする

  • 別の解決方法が浮かぶような双方の理解を進めるための対話の場と捉える

結果状況
  • 双方が自分自身の振る舞いやその結果について気づきを得ることによる成長機会を得る

  • 互いの信頼関係を構築できている

  • 自分の振る舞いの変化や捉え方の変化がきっかけで、相手の良い部分が捉えられるようになる。

使用例

なかなか仕事を覚えない部下や検討違いな方向に進む部下、いつもプロジェクトを炎上させる施策を平気で行う上司に対し、「こんな簡単なことを、なんでもっと上手くやってくれないんだろう。これぐらい上手くやればいいのに」と思うことは多い。それを丁寧に伝えたとしても相手が改善する兆しもない。そうするうちに相手に対してイライラが募ることが多いだろう。

関連パターン

7.3. アドバイスする前に話を「最後まで聴く」

はじめに

何かアドバイスや言いたいことが思いついたとしても、まずは最後まで聴くことに徹底する

要約

経験や知識があると、相談や悩みを聞いた時に自分の視点でコメントが言いたくなることがある。けれども会話を奪ってアドバイスしたり、自分の経験を話そうとするのではなく、まずは相手の話を最後まで聞き、相手の語り終わりまで待とう。解決するのは相談した本人なので、本人の視点で聴き、本人にあった方法を一緒に見つけよう。

状況

悩んでいることを共有された時や相談された時についついこうしたらいいなぁと浮かんだ時や自分の経験を語りたい、そのままだと失敗してしまうから防いであげたいと思うときがある。

  • 聞きながらこうした方がいいのではと浮かんだ時

  • 自分ならこうするというやり方が浮かんだ時

  • 話をきいていて解決できるのにとイライラなどの感情がでたとき

問題
  • 会話を遮って話してしまうことで、話を全然聞いていないと思われてしまう

  • アドバイスされた内容がピントがずれていることや相談した側に合っていなかったりする

  • アドバイスがあっていたとしても、まだ話している本人が受け入れられる状態、能力、考えではない可能性がある

  • アドバイスしてしまうことで相手に頼って考えなくなる、答えをくれるだろうと思ってしまう

フォース
  • 上司(先輩)、部下(後輩)で1on1を行うことが多いので、上司側は似た経験や解決したことがある課題だと思いやすい

  • 助けてあげたいと思うとついつい教えたくなる感情が出てくる

  • なるべく早く解決したいと思う(何ヶ月も悩まれても困るなど)

  • 課題は必ず解決するものだという思い込みがある

解決方法
  • まずは最後まで聴くことで、解決方法が異なる可能性もある

  • 本人のやり方を一緒に考える気持ちできく

  • 相談された側が実行するわけではないので、本人が納得して行動できる方法を本人の視点で探る

結果状況
  • 最後まで話を聞いてくれるという経験が次も話そうと思わせる

  • 最後まで聞くことでピントがあった解決方法につながる

  • 相手の気持ちや状況を把握したうえで、どうするかを一緒に考えることができる

使用例

話をきいているうちに言いたいことが色々と以下のようなことが浮かんでくる。

  • 自分だったらこうするのにという解決策

  • 自分の経験談

  • 要約したくなる

  • 結論になかなかたどり着かないので、確認したくなる

    聴いているうちに上記のようなことが浮かび、言いたくなる気持ちはわかる。解決策の1つかもしれない。けれども相手はまだ話しの途中かもしれないし、本当の思いはまだ隠れているかもしれない。途中で話を奪ってしまうと話を聴くよりどうせ自分の話をしたいのだろうと思われてしまうかもしれない。
    一旦ぐっとこらえて話を最後まで聴いてみよう。最後まで聴いてみると当初思っていなかった場所まで話してくれるかもしれない。まずは、一緒にどうしたらいいか考える土台にたどりつこう。

関連パターン

7.4. 思いつきで話してみる

はじめに

ちゃんと話さなくていい前提で伝える、聴く側もまとまってないことを前提にきく

要約

ビジネスでは基本相手に伝えたいことをまとめて話さないと何を言っているかわからないと言われてしまうが、感情や自分の中でまとまっていないことを話そうとすると頭の中が整理されていない場合がある。つまり、綺麗な言語化を求めてしまうと話にくくなるため、あえてちゃんと話せなくていいこととする

状況
  • ぼんやりと悩んでいる

  • まだ何に困っているか明確でない

  • 自分のなかでまだ考えがまとまっていない

  • もやもやはするけど言語化できるほど考えていない

問題
  • まだまとまっていないことを話すことに抵抗がある

  • 相手の時間を奪ってしまったら申し訳ないと思う

  • 結論から言わないと相手をイライラさせてしまうと思う

フォース
  • ビジネスでは基本結論から言うことやまとまって話すことを求められる

  • 結論はなに?とまとめたくなる心理が働く

  • うまく言葉(言語化)にするのが難しい場合がある

解決方法
  • ここは普段のビジネスとは違って話せる場であることを前もって提言する

  • 綺麗に話すというかべを少しでも減らすことが大事だと考えるため、ここでは言葉に出すことを大事にしたいので「ちゃんと話さなくていいよ」と伝える、聴く

  • いきなり伝わることを目指さず、まず言語化にチャレンジしてみる

結果状況
  • 話すことで思考が整理されて、

  • カタルシス効果(ネガティブな感情をいうことで緩和されたり、安心すること)が起きる場合もある

  • 思ってもみなかったことがお互いわかる

  • 考え方のクセがお互いわかる

使用例
  • 話すときに論理構造がしっかりしていないのか、感情による影響でまとまっていないのかなど話すことで状態がわかる場合もある

  • なんとなく嫌などぼんやりとした感情はあるものの、具体的な言語化が難しい場合

  • まだ自分の頭の中でまとまっていないが、話すことで整理したい内容

  • 結論はまだいえないものの、もやもやしたり悩んでいる状態であることを伝えることができる

関連パターン

7.5. 自分の感情を言葉にする

はじめに

自分の感情を冷静に言語化して相手に伝えてみよう

要約

一人一人の感情を大切にできる組織が、効率的に課題解決を行いながら業務を行うことが可能だろう。
全員の気持ちが同じ方向を向くことはないし、他人の感情を知ることも難しい。
組織の中で感情的に振る舞ったり、逆に感情を押し殺してしまわなくてもいいように、1on1の中で感情を冷静に言葉にして伝えるようにしてみよう。

状況
  • みんなの感情がわからないし自分も発信していない

  • 理論的なことだけが需要視されてメンバーの感情は無視されている

  • 組織の中で、あからさまに不機嫌さを表す人がいる

  • 誰かがいきなり感情を爆発させる

  • SNSや転職サイトに負の感情を書かれる

問題
  • 感情的に振る舞ったり、逆に感情を押し殺してしまうことで、組織のパフォーマンスが最大化しない

フォース
  • 感情を出すことは良くない事だという既成概念

  • 感情を知られたくないという感覚

  • 捉えにくい感情を言葉にする難しさ

解決方法
  • 嬉しいこと、楽しいこと、嫌なこと、苦しいことなど明確な何かからで良いので常に冷静な言葉で共有する

  • 自分含めて誰かの一時の感情は、その人の全てではない共通認識を持った上で会話する

  • 聴く側も相手の感情に耳を傾けながら言語化を手伝うようにしてみる

結果状況
  • チームのメンバーのある一時点の感情が共有可能になり、嫌々業務を遂行しないようにお互いがお互いの感情を大切にできることで、組織パフォーマンスが向上する

  • SNSや転職サイト等への悪評の書き込みリスクが低減する。

使用例

メンバーとの1on1でキャリアや目標について会話をしていても、上辺だけの目標設定になっており、ありきたりだったり本人の熱量の感じにくい会話になっていた。
そこで、実際に今の仕事について楽しいことや嬉しいこと、さらには苦しいことや辛いことをお互いに話す様にした。
最初は言いづらさがあったが徐々に具体例だけでなく理由まで会話できるようになってきたので、理由を話す際に出来る限り実際の現場で感じた感情も言語化できるよう、互いに丁寧に耳を傾けて聞くことにしてみた。

関連パターン

7.6. 言葉に表れない心の動き・意思を大事にする

はじめに

アドバイスをする、またはアドバイスされる時は、言葉通りに受け止めずに、その言葉の裏側にどのような心の動きがあるのかを大事にすることに合意する

要約

耳心地が良く綺麗なアドバイスはたくさんあるし、例えば1on1の相手が上司だと、言われたすべてを言葉通りに受け止めてしまいたくなる。しかし、自分がどうありたいのかや、自分の気持ちや言葉を大事にすることが、他人のアドバイスよりも大事なことも多い。
また、アドバイスする側もせっかくの指摘だから、全部言う通りにして欲しい気持ちが少なからずある。しかしながら、アドバイスを受ける側の状況や気持ちを踏まえないとアドバイスが活きるとは限らない。

状況
  • アドバイスや大切にすべきことが多すぎて、聴く側が混乱しかけている

  • 特に聴く側が自分に合うかを考えられていない

  • 互いの関係性から1on1の一方の言うことに言い返しにくい

  • 親身になっているからこそ、話す側もとりあえず全部言って受け止めて欲しいと考えてしまう

  • 感情は変化するものなのに、「言ったから」とそのまま固定して進めてしまう

問題
  • アドバイスが多くて受け止めきれず、結果うまくいかない

  • 自分で考えずに相手に判断を委ねてしまい、結果うまくいかない

  • 単に指示を出す側と指示を受ける側という関係性になってしまう

  • 言葉で固定してしまうことで、感情が変化しているのにそのまま進めてしまう

フォース
  • 上下関係や力関係、あるいは正論と感じるとそれに流されてしまう

  • 効率的にやろうとして、深くつっこまない

  • 言葉にできない・なってないものを考えるのが難しい

  • 感情が変化することを前提にすること自体に難しさがある

解決方法
  • 心構えとして、言葉がすべてだとは思わないようにする

  • 全部を受け止める必要はないことに双方で合意する

  • たくさんのアドバイスポイントの中で、どれを大事にしたいかを話し、1〜2つのポイントに絞って取り組む

  • 背景にありそうな感情を自分の言葉で表現してみる

結果状況
  • 全部を受け止める必要がないことによる選択・集中ができる

  • 相手に合わせることなく、自分の意思を込められる

  • 表面上の言葉に惑わされず、その時の言葉として受け止められる

使用例

例えば、発言量がどちらか一方に偏っていることに気付いた場合、あるいは、相手の反応が薄くなってきた場合など、相手のことを想ってるつもりでも、ヒートアップしてしまい、相手のことを尊重できてないかもしれない。そもそも、アドバイスする側も思いつきで言っていて、順序立ててないこともある。

そういった時には、全部を受け止める必要はないことに双方で確認するために、まず、アドバイスのポイントをすべて書き出してみよう。出てきたアドバイスポイントすべてではなく、どれを大事にしたいかを話し、優先順位・順序を決めて、1〜2つのポイントに絞って取り組んでみよう。

また、優先順位・順序を決める際には、実行する人の心の動き・意思を踏まえて、一緒に決めていこう。

7.7. お互いの共通項・違いを知る

はじめに

お互いの共通項や違いを知る事で、1on1や普段のコミュニケーションで起きる違和感を少なくしてみよう

要約

お互いの共通項を知れば、その分野で阿吽の呼吸に近づけることもあるが、違いを知らないままコミュニケーションすると勘違いが多くなってしまう。お互いの共通項と違いをバランスよく知る事で相手に合わせた情報伝達や結果の受け取りが行いやすくなる。

状況
  • お互いの会話において、共通項や違いを意識した会話ができない

  • 同じ認識で会話したはずがゴールがズレたような結果が生まれている

  • 共通項や違いは意識しているが、どちらかが違和感を感じている

問題
  • 違いを認識していないまま、双方がコンテキストの欠けた情報伝達を行ってしまうことで齟齬が生まれる

  • 共通項を認識できていないまま情報伝達を行う場合に、利用可能な共通認識まで冗長的な説明が必要になることで双方の情報伝達コストが高くなる

フォース
  • お互いにスキルもあり業務知識も豊富な場合、個人としての共通項や仕事上の共通認識が多いと思い込んでしまう

  • 趣味や特技など私生活に踏み込むことができず、業務以外の共通項や違いを捉える会話が発生しない

  • 相手が自分を理解するのは当たり前だと思い込み、自ら共通項や違いを知ろうとしない

解決方法
  • 双方で距離感を測りながら趣味や特技などの共通項を探したり、違いを見つけてみるテーマを絞った会話を通して、物事に対する向き合い方、物事を捉える側面、物事に対する表現などの共通項や違いを見つけてみる。

  • 職務経歴や、偏愛マップなどを利用して共通項や違いについて会話をしてみる。

  • 共通項がある場合は、その共通項を深掘りして違いを探してみる

結果状況
  • 双方の共通項や違いを認識した上で否定しないことで、双方の新たな価値を発見できる

  • チームのメンバーに対する理解度が上がることで、人間関係に対する違和感が低減し、率直なフィードバックを行いやすくなる

使用例

明らかにスキルもあるメンバーとの業務において打ち合わせでは問題なく会話が進むにも関わらず、しばらく時間が経って仕事の成果を確認すると、いまいち成果らしい成果がでていなかったりゴールがぼんやりしているように感じられた。
お互いに結果認識のズレを感じつつ過ごしていたが、ある日の1on1で共通の趣味の話題が見つかり盛り上がった。
会話が盛り上がった理由は趣味が同じだけでなく双方の理想が同じ方向性を目指していることだったが、その会話の中で理想に対するアプローチが大きく違うことだった。
ここで分かったのは、業務面でも長期的な結果については共通認識を持っていたが、途中経過で期待しているものは大きく異なるという事実だった。

関連パターン

7.8. 相手と自分で共通のメタファーを扱えるようにする

はじめに

相手を知るということは、案外難しい。まずは自分と相手でわかりそうなメタファーを見つけてみよう。 ※1

※1「メタファー」の詳細は「 8, 用語集」を参照

要約

相手と自分で互いにわかるメタファーが見つかると、互いの話がより分かりやすく感じることができる。

状況
  • 話が噛み合ってない

  • お互いが探り合いになっている

  • 話が広がらない

  • 例え話をしても、相手に伝わらない/逆に自分が受け取れない

問題
  • 話がすれ違ったまま終わる

  • 伝わるだろうと考えたものが伝わらないまま終わる

フォース
  • 趣味や活動が一緒じゃないと「話が合わない」と思ってしまう

  • 比喩表現では逆に齟齬が生まれると思ってしまう

  • 誰もが知っていると思っている知識を相手が知らないことで伝わらないことがあった

  • お互いに違いがある、という認識がない

解決方法
  • お互い印象が近そうなメタファー(たとえ話)を出してみて、反応を見て、使えるメタファーを見つける

  • 仮に分からなければ、ブレイクダウンした説明をすることで、メタファーをつくりにいく

  • メタファーからイメージするものが合っているかを確認する

結果状況
  • 話のとっかかりがつかめて、話が噛み合うようになる

  • メタファー(たとえ話)をした時の認識のズレが減り、話が伝わりやすくなる

使用例

現在の状態について1on1の中で話してみたが、どうも認識が合ってない。そこで、その状態に近しいものとして、似たような印象のものを自身の経験から考えてみると、学生時代の部活の話を思いついた。それをたとえ話として話してみたところ、折しも相手も同じ運動部だったので、印象として近しいものであることがわかった。
それを少しブレイクダウンして説明することで、イメージするものが伝わりやすくなった。

関連パターン

7.9. 話してもよいことをすり合わせていく

はじめに

1on1の場で話す内容をイメージしやすくすることで安心でき、会話を促進する

要約

1on1で話す場が与えられても何を話していいかわからないことがある。どこまで何を話していいのか曖昧なため、お互い当たり障りのない会話として雑談などで終えてしまう場合がある。
お互いどういった話をしてもいいのかイメージがつくようにすることで、安心して話せる場の形成につながる。

状況
  • 1on1の場を設定されても実際どんな話をしていいのかお互いわからないままに進んでしまう場合がある

  • 話に詰まってしまったり、何を話していいか困る場面がある

  • 1on1でどこまで、なにを話していいのかわからない、どこから話していいのか不明確

  • 雑談や最近のことなどお互い当たり障りのない会話をして本質的でない会話で毎回終わってしまう

問題
  • 話すことがなくなってしまうので、話すことがないならと1on1が終了してしまう

  • 1on1を行う意義がわからないまま、1on1が繰り返されてしまう

  • 本当は話したほうがいい、共有されたほうがいいことが話されずに流れてしまう、認識されずに終わってしまう

フォース
  • 1on1で何を話すものかがそもそもお互い認識がとれていなかったり、知らない

  • 進捗共有、評価面談など他会議と1on1との違いがわからない

  • 上司相手、会社の人にどこまで話して大丈夫か不安がある

  • 話して大丈夫だという安心した関係性が築けていない場合がある

解決方法
  • 立ち止まって話すことを一緒に決める

  • こんなことは話していいんだろうかという具体的なトピックを出してみる

  • 聴く側がこんな話をしてもいいと例をあげてみる

  • プライベートなことでも仕事に影響することはテーマとして上げてみる

  • 改めてここで話すことは他に他言しないことを明示的に表明したうえで、他の共有する場合はその旨を認識合わせることとする(安全性の確保)

  • 相手の反応をみながら、複数回の1on1で調整をくりかえす

  • 会社で知り合った同士だからこそ、友達などのプライベートとは違い、あえて曖昧にせずに何を話せるかを認識合わせする

結果状況
  • どういう話をしていいのかわかり、話しやすくなる

  • 話すことのイメージができて1on1の場に対して安心する

  • ことが大きくなる前に情報をキャッチすることができる

  • ちょっとしたことが話しやすくなった

  • 話しても大丈夫と思える一歩となる

使用例

1on1が設定されたのの、何を話していいのかわからず当たり障りのない話で終わってしまった。
でも相手は最近元気がなくて、なにか抱えているような気がした。最近進捗も気になる部分がある。

なにか事情があるなら知りたい。でもまだ話せる関係だと思ってくれていないのかもしれない。こんなこといってもいいのだろうかと悩ませているかもしれない。

次回はもう少し踏み込んでどういう話をしていいのか自分からも提案してみよう。そのうえで話しにくくさせているのなら、全部本音でいってくれないかもしれないけど、懸念がどんなことにあるかなども聴いてみよう。きいたからといって責めるわけでもないことを明言してみよう。話すことで少しでもよかったと思ってもらえたらいいな。
1回で近づけると思えずに、数回かけて関係性が作れていけるようトライしてみよう。

7.10. 対話の間合いを近づける

はじめに

特に1on1セッション中は、お互いの「間合い」を意図的に近づけることを意識することで、核心を突いた話題ができ、お互いの発言を引き出すことができる。 ※1

※1「間合い」の詳細は「 8, 用語集」を参照

要約

1on1セッションは対話の形式の一つである。そのため、対話において大切な「間合い」には、セッション中にも気を配る必要がある。特に、相手を待ってしまっていそうな場合や、当たり障りのない話題で済ませてしまっている場合、意図的に近づけるような問いかけをするとよい。

状況
  • お互いお見合いの状態で、対話のきっかけがつかめない

  • 当たり障りのない話題やうわべだけの会話になっている

問題
  • 本格的な対話に踏み出せないことで、お互いに発見のない話になり、1on1セッションとして実にならない

  • 今集中すべきでない話題を話してしまい、1on1セッションの時間がムダになってしまう

フォース
  • お互いに気を遣ってしまっている

  • 相手に合わせようとしてしまっている

解決方法
  • フックをかける(問いかけを実施し、相手の発言を引き出す)

  • 相手の反応の変化を見て、話し方・接し方を調整する

  • 教育や指導といった観点を排除して、上下関係などを排除した状態をつくる

結果状況
  • 自分の得意な「間合い」をつくり、自分が話しやすい状況をつくる

  • 相手の発言を引き出せることで、「間合い」がちょうどいい形に調整でき、話しやすくなる

  • より優先すべき話題を話せることで、1on1セッションが実る

使用例

1on1を実施し始めたが、何かしっくりこない。どこか上辺だけの話になってしまっている気がする。これは、自分が教育あるいは指導と思って接してしまっているからかもしれない。自分から一方的に話してもダメだと思い、お見合い状態になってしまっているのかもしれない。ようやく出てきた言葉も、何か予定調和な答えになってしまっている気もする。

次の1on1セッションでは、もう少し相手との距離を詰めてみよう。距離とは、物理的な距離でもあるし、精神的な距離でもある。相手が話し出しやすいようなに問いを投げかけて、相手の反応を見つつ、距離を近づけた話をしてみよう。

関連パターン

7.11. 対話の間合いを遠ざける

はじめに

特に1on1セッション中は、お互いの「間合い」を意図的に遠ざけることを意識することで、相手の発言を引き出すことができるかもしれない。 ※1

※1「間合い」の詳細は「 8, 用語集」を参照

要約

1on1セッションは対話の形式の一つである。そのため、対話において大切な「間合い」には、セッション中にも気を配る必要がある。特に、相手のことを知った状態から、少し引いた形をとる方がよいこともある

状況
  • 自分が望むことを主張してしまっている

    • お互いに色々話したことで、関係性が強くなっている

    • 相手のためを思って、色々アドバイスしたり、多くを伝えようとしたりしている

  • 相手が望むことを一方的に主張されてしまっている

    • 一方的にやりたいことを挙げて話されてしまう

    • 「こんなことやりたくない」と壁をつくられてしまう

問題
  • 無意識に、相手の発言タイミングを奪ってしまう

  • 自分のポジションを動かないという主張で、対話ではなくなってしまう

フォース
  • 思ったことを全部伝えたいと思ってしまっている

  • 相手の話すタイミングを無意識に潰してしまっている

  • 無言の時間が怖い

解決方法
  • 自分の発言の後に、相手の反応を待つ

  • オープンクエスチョンをする

  • 1on1セッションを仕切り直す(今の状態・現象について話す)

結果状況
  • 相手が自分のタイミングで話すことができる

  • 今の状態を捉え直して、1on1セッションを再開できる

使用例

1on1を実施して、お互いのことを話すなどして、相手との距離を詰めてみた。ふと振り返ると、ここ最近は、自分が伝えたいと思ったことを話すことが多く、相手の話を聴く時間が少なくなってしまった。

次の1on1セッションでは、あえて相手との距離を離してみよう。あえて自分の発言の後に、「あなたはどう思ってますか?」などと言って、相手の反応を待ってみよう。もしかしたら、無言の時間が訪れるかもしれない。しかし、それでもお互いに無理に発言する必要はない。沈黙してもいいということに合意して、各々が自分のタイミングで話すことを意識しよう。

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7.12. その時のコンディション(振れ幅)をお互いに見る

はじめに

人は時や状況によってコンディションは異なる。その時の状態にお互い目を向ける

要約

体調が悪いとき、仕事やプライベートでショックなことが起きたときなどのネガティブなケース、環境変化、いいニュースが自分のなかで飛び込んできたときなど、その時の状況によって人の状態が変わることを認識せずに話を進めてしまう場合がある

状況
  • いつもと比べてパフォーマンスがでない

  • いつもだったらしないはずのミスをする

  • いつもとなんか違う

  • なんか様子が違うように見える

問題
  • お互いのコンディションなどを踏まえないと会話が成り立たないことや期待がずれてしまうなどが起きる

  • 調子が悪いまま続けることによって、その状態が続いたり、より悪化する

  • 場合によっては体調不良、長期休みなどにつながる

  • 配慮しないことで影響考えないスケジュールで無理に進行してしまう

フォース
  • 人はいつも同じコンディションをもてるものではない

  • 人生において色々なことが起きるので本人も意図せずに影響を受けてしまうこともある

  • 人によって影響幅が異なることを認識せずに自分の感覚の軸で相手を見てしまいがち

  • 自分だけではコンディションの変化に気づけない可能性もある

  • 自分のコンディションで相手のことがみえない場合もある

  • コンディションのアップダウンが弱点とおもっていたり、評価に影響するとおもって隠したい

解決方法
  • 今日の気分がどうなのか、今向き合った相手が元気があるのか、ないのかといった「今の状態」を見ることを意識する

  • 普段との違いを感じたり、聞ける範囲で理由を尋ねる

  • 違和感を相手に伝えてみる

  • 自分の状態を相手に共有する(例;今日は元気ない、つかれていてきけないなど)

  • 仕事に影響する感覚をもった出来事はプライベートであっても共有してみる

  • すぐに解決に急ごうとするのではなく、状態を認識するが大前提

  • 今日の体、心の天気や5段階評価など聞いてみる

  • 可能であれば自分が認知していた状態と相手からみた状態との違いを認識する

結果状況
  • 会話しているときの相手の状況にたいしてお互い会話ができるので、その時のコンディションにあった会話をすることができる

  • 話すことによって自分のコンディションを認識することができる(再確認含めて)

使用例

最近Aさんの様子がおかしい気がした。前はしなかったようなミスが目立つし、気持ちも暗いような気も。本人に声をかけたときの反応も気のせいか悪い感じがした。

今日話す場ができたので、正直にきいてみることにした。本人もなんか調子が上がらない自覚はあったものの、すぐどうにかなるだろうと思っていて、他からみてそこまでわかるほどではないと感じていた様子。
プライベートなこともあるから無理に全部話す必要はないと伝えていくことにした。そのうえで仕事にどんな影響がでていそうかを一緒にすり合わせていくことにした。話しながら相手も気持ちが整理していっている様子だったので、今できることを一緒に探っていこう。

7.13. 背景や経緯を語る

はじめに

背景を失った物事は違う意味を持って一人歩きする。事実や決定事項、結果は背景となる情報もセットで伝達してみよう。

要約

ビジネスでは要点のみをシンプルに伝えることが重要視されるが、それも使い所によって逆効果になるだろう。
1on1を上手に使えば物事の背景を丁寧に伝える有益な時間になって、日常の認識齟齬を徐々に減らすことができるだろう。

状況
  • 事業や業務の方向性ややり方だけ示されたり、共有されている

  • 業務の進捗だけ共有され、なぜ今の状況が発生しているか双方の理解が追いついていない

  • 明確な業務要件を満たして完了したのに、根本的なニーズを満たしていない

  • 実際に業務を行うメンバーや決定や結果を受け入れるメンバーの納得感が薄い

問題
  • 決定事項に沿ったタスクをこなしたり結果が出されたものの、本来の目的に沿った結果を得られなくなる

  • ある目的に沿って業務を行ったのにも関わらず、過去に発生した問題に直面してその業務の進捗を阻害しまう

  • ルールが形骸化したまま放置されたり、形骸化したルールの見直し時にインシデントが発生してしまう

  • 納得感のない業務や結果が増えることで業務全体のモチベーションが低下し、目的を達成するためのコミュニケーションの質が低下する

フォース
  • 背景を共有する意識が薄かったり、背景を共有する必要はないと考えてしまう

  • 事実や結果や決定事項だけ伝えても背景は想像できるだろうと期待してしまう

  • 自分はすでに背景を理解しているため、簡単な説明でしっかり相手が理解できると勘違いしてしまう

  • 相手がすでに背景を知っていると思ってしまう

  • 受け手がわかった気になりやすいシンプルな言葉だけを伝えたことで、わからないことが分からないまま進めてしまう

解決方法
  • 事実や結果や決定事項を伝えた後に、なぜそうなっているのか?どんな状況なのか?事実や結果や決定事項に至るまでを説明してみる

  • 事実や結果や決定事項を伝えられた側もなぜそうなっているのか?どんな状況なのか?理解ができなかった部分や納得できない部分を質問してみる

  • 受け取り手が理解した内容を自分の言葉で説明し、認識の齟齬がないかを確認する

結果状況
  • 業務内での期待値のズレが徐々に小さくなり、認識齟齬による出戻りの発生やスケジュールへの影響、人間関係の問題を減らすことができる

  • 簡潔な言葉では伝わりにくい、細かなニーズを満たす事柄に対する確認や提案が業務全体で増える

使用例

Aさんは「今の作業に何の意味があるのか理解できません。」と伝えてきた。今の作業が必要になった理由は話したはずだと思いつつ、改めて理由を説明したところ違和感はないらしい。
しかし話を進める中でAさんは、やっぱりもっと良い方法があるのではないのか?と考えてしまうとのことだった。
ふと考えた時、Aさんは今のプロジェクトが開始して最初の3ヶ月の混乱が終わった時に今のチームに参画したことを思い出した。
私はプロジェクトの最初の3ヶ月間に何が起こり、どうやって今の状態になったのか、詳しくAさんに伝えることにした。
それを聞いたAさんは、「もっと良い方法が他にあっても今は選ぶことが難しいし、今は今のやり方が最善だと思います。」と言ってくれるようになった。

7.14. 自分達で認知できる組織図を描いてみよう

はじめに

自分達を取り囲む組織やステークホルダー、その役割と力関係について、それぞれの立場で語りながら認識を合わせてみよう

要約

1on1は組織やステークホルダーの立ち位置や力関係など、オープンな場では会話しにくい関係性について会話できるいい機会だ。直接関わるステークホルダーに対するプレッシャーや、さらに外側のステークホルダーの存在。組織の中での立ち位置や組織自体の構成などより自分達を取り囲む状況を深く認識を合わせてみよう。

状況
  • 特定のステークホルダーの行動が論理的整合性を保っていないと感じる

  • 自分達の組織や、周囲の組織の情報の流れ方に歪さを感じる

  • ステークホルダーや部署に対する愚痴が増えている。

問題
  • 業務は正しく行なっているはずなのに結果に対して評価が得られない

  • ステークホルダーから理不尽と感じたり、本来不要だと感じる介入や変更が起りやすくなる

  • 朝令暮改や矛盾を感じるような方針の変更などが多々発生する

フォース
  • 誰かの振る舞いや立ち位置、難しい人間関係などはオープンな場で会話しにくい

  • 組織や個々人の関係性による情報の流れ方や伝わり方、内容の変化について個人で理解するのが難しい

  • 自分の役割からは他人の仕事の内容や責任などが見えにくい

  • 理解や経験がおよばない仕事やタスクに対して著しく低い見積認識を持つ認知バイアス

解決方法
  • 自分達に直接関わるステークホルダーとその組織の立ち位置と役割を整理してみる

  • 上記で洗い出したステークホルダーや組織が関わる、ステークホルダーや組織の関係性を整理してみる

  • それぞれの立ち位置が追う業務や責任、組織間やステークホルダー間に存在する力関係を整理してみる

  • 自分がそのステークホルダーだったらどんな苦しさがあるのかを、双方で持ち寄って会話してみる

結果状況
  • 組織の中に流れる情報のおさえるべきポイントを理解しやすくなる

  • 周囲の望む結果や振る舞いを組織構造に最適化しやすくなり、結果的に自分たちが楽に成果を上げれるようになる

  • 周囲のステークホルダーと会話して、その人が感じているプレッシャーを一緒に排除することができる

使用例

1on1で組織に対する不満や、ステークホルダーに対する愚痴が増えてきた。
しかし、お互いに対処する方法が見当たらないので、1on1が愚痴を吐き出す時間になってしまいそうだ。
インセプションデッキにある『ご近所さんを探せ』を洗い出した上で、気になる人の役割や力関係がわかるように一歩外側の関係性まで図式化して見よう。

7.15. 一旦の結論を出して仮置きする

はじめに

1on1で出た話題について完全な解決を求めず、まずは一旦の結論を仮置きしてみる。それが間違っていたなら、後から修正すればよいし、動いた結果で後から分かることもある。現状を一歩進めてみよう。

要約

1on1で扱うテーマは、そもそも複雑であることが多く、分からないことが多い。そのため、一旦物事を進めてみないと、十分な情報が集まらないこともある。十分な情報がないと、同じようなことを話してしまうかもしれない。まずは一旦の結論を仮置きして進めてみよう。

状況
  • 今話しているテーマ自体が複雑である

  • 複雑であるがゆえに、話があちこちに飛んでしまう

  • 1on1セッションを複数回やっていても、結局同じような話に終始してしまう/堂々巡りになっている

問題
  • 話はするが、状況が動かない

  • 最終結論を出そうとして、先送りになってしまう

  • 分からない中で、さらに分からない話が積み上がってしまい、議論が進まない

フォース
  • そもそも複雑なテーマを話していることに気付きにくい

  • 解決しないと先に進めないと思ってしまっている

解決方法
  • 最終結論ではない形で、一旦の結論を出す

  • その上で、次の動きを進めてみる

  • 動いた結果、誤りがあったら訂正する

  • 以下のようなフレーズを利用してみる
    「同じ話になっていそうなので、ここで一旦整理しませんか」
    「ここまで一旦まとめたので、次の話にしましょうか」

結果状況
  • 堂々巡りにならずに、次のステージの議論ができる

  • わかっていることや、本当に議論すべきことが増える

使用例

1on1セッションを続けてきて、短期的に成果が出るような目の前の問題には取り組み、成果を出してきているが、そろそろ中長期的な問題に取り組みたいと思っている。しかし、実際話してみると想像以上に根深い。何回かやっていて同じ話になってしまっていそうな気がする。
もちろん大事な話なのはわかっているが、ここまでの結論を一旦まとめてしまい、次の話にうつってしまおう。それで動いてみた結果、想定と違ったり、誤りがあったりすれば、また1on1セッションで議論していこう。

7.16. 大きな問題・課題には本腰入れて取り組む

はじめに

心理的ハードルがあって避けたい問題でも、いつかは取り組まないといけない。問題・課題を1つ取り上げて、集中して向き合うことができるとよいだろう。

要約

何度か1on1をしていく中で、取り組むには重い腰を上げねばならないが、向き合うべき問題・課題がお互い見えてくる。その際には、背景や感情と合わせて、問題・課題に直接向き合うことができるとよいかもしれない。

状況
  • 取り組むべき大きな問題・課題が見えてきた

  • その問題・課題はなんとなく避けているが、向き合うことで得られることもありそう

  • ただ、問題・課題が大きかったり、複雑だったりして、取り組むのが億劫である

  • 結果、取り組みを先送りにしてしまう

問題
  • 先送りにしてしまうことで、解決すべき事柄が溜まっていく

  • 結果、本来解決すべき問題が解決しないままになる

  • 時間がかかりそうな問題から目をそむけてしまう

フォース
  • 短い1on1の1セッションで解決策を出したい

  • 1on1自体が短い時間の中で、成果の出やすい他の小さな問題に取り組みがちになる

  • エネルギーを使わないといけないことが見えているから、避けたい

解決方法
  • ロングバージョンなどとして、普段の1on1よりも長めの時間をとる

  • 合宿などとして、普段とは違う場所で開催してみる

結果状況
  • 時間をかけて議論することで、中長期的に取り組むべき大きな課題・問題の解決の糸口がみえる

使用例

何度も1on1をやってきて、取りかかって成果が出るような事柄はやってきて、それなりに成果もあがってきた。このタイミングで、少し重たいけど重要な事柄に、本腰を入れて取り組んでみよう。
例えば、他の人も巻き込んだ部署の方向性を議論したい内容があると、これは1on1の当事者2人だけでは解決できないから、どうしても後回しにしがちになるし、労力もかかる。でもここで取り組むことで、せめて解決の糸口を見つけたい。
これは特別な1on1と位置づけて実施してみるといいかもしれない。例えば時間を長くするとか、割込が入りにくい普段とは違う場所でやってみるなどだ。

関連パターン

7.17. あえて解決を急がず、状況を解明する

はじめに

仕事全般において、問題解決を急いでしまうことが多い。1on1の場においては、すぐに解決を目指さない方がいいこともある。

要約

よく行われる「会議」は、結論が大事だったり、解決することが大事だったりする。だから、1on1でも解決を目指すことになりがちである。しかし、まずは対話し、お互いがお互いを理解していくことが大事になる。だから、「解決を目指さない」ことがいいケースもある。

状況
  • 関係者が多い、複雑な問題であるなど、じっくり話した方がよい課題がある

  • しかし、ただ話しているだけだと行動していないようである

  • すぐに解決できるものばかりを優先してしまう

問題
  • 状況理解や心理面のケアが後回しになる

  • 真の課題が見えなくなり、場当たり的な解決になってしまう

フォース
  • 短期的に成果を出そうとしてしまいたい

  • 話すだけになると、時間がムダになるような気がして怖い

  • 知ってる範囲の事柄で今の解決してしまいたい

  • でてきたものは解決するべきだと思っている

解決方法
  • 冒頭で「解決を急がず、まずは状況を話そう」と提案し、互いに合意する

  • いつの間にか解決を話していた場合は、結論を次回に先送りしてみる

結果状況
  • 状況がクリアになる

  • 話すことで、心理面の不安が小さくなる

使用例

ここ最近の1on1をふりかえってみると、何か進捗報告的な場になって、直近で課題となったものを取り上げて、すぐに解決しようと動いているものばかりだった。
例えば関係者が多いからずっと棚上げにしている問題や、個人の状況の話のようなすぐに解決しないようなことはないだろうか。そういったものを掘り起こしてみて、現在の状況整理と理解に努めてみよう。

7.18. 言いにくい事も言ってみる

はじめに

信頼関係を構築し維持するには、素直さを持って伝えることが重要である。

要約

1on1において、相手と信頼関係を構築しながら共に向上するためには、表面的な会話や建前での会話をすればいいわけでではない。
攻撃的でも反応的でも防衛的でもなく、それぞれが立場と背景と状況を抱えた一人の同じ人間として向き合いつつ、お互いに違いを確認しながら本音を交えて伝えることが双方にとって重要だ。

状況
  • 自分が相手に嫌われたくないと感じたり、相手が自分に嫌われたくないと感じている。

  • 自分が相手に弱みを見せたくないと感じたり、相手が自分に弱みを見せたくないと感じている。

  • 自分が相手に恐れを感じたり、相手が自分に恐れを感じている。

  • 自分の言葉や気持ちではなく、誰かの言葉や気持ちを代弁したり引用して伝えている。

問題
  • 1on1という相手の素直な言葉を聞く事が可能な時間を、表面的な会話だけで過ごしてしまう

  • 本心でない言葉を相手が真剣に受け止めても、発言者の満足にはつながらない

  • 素直に発言できる幅が少ないことで、相手がポジティブに受け取る内容だけに偏ったり、ネガティブに受け取る内容だけに偏ってしまうことで、本来伝えたい事が伝わらなくなる

  • 素直な発言に対する確証がない場合、相手にとってポジティブな内容がお世辞やポジショントークとして流されてしまう

  • 素直な気持ちが伝わらないことで、長期にわたって信頼関係を構築、向上することが難しくなる

フォース
  • 嫌われたくないという感情

  • 自分を守ろうとする潜在意識

  • 相手との関係性や、組織内に存在する協調性を求める態度や同調圧力

  • 自身の感情と異なる、あるべき論

解決方法
  • 相手には自分と異なる背景や状況がある事に対し理解を示す

  • 双方が素直な感情を伝える事に同意する。

  • 自分にとって恥ずかしいと感じたり、照れ臭くなるようなな情報を、自分の言葉で伝えてみる

  • 自分本位に感じる事も、あえて口に出してみる

  • 相手にとってネガティブな情報を、自分の言葉で伝えてみる

結果状況
  • 双方が相手の振る舞いやその結果について気づきを共有できている

  • 相手が気づきを得ることによる成長機会が発生している

  • 互いの信頼関係を長期に渡り構築できている

使用例

1on1を進める中で正直な意見を出せない自分に気がついた。
仕事のプレッシャーなのか相手の態度も意固地なほどプライドを高く維持しているように感じられてしまい、自分の素直な意見が言えない状態に陥っていたのだ。
相手にとって耳の痛いことはもちろん、相手もポジティブに受け取れるフィードバックすらも伝えることができなくなっている。
このままではお互いの成長や、組織の成長に良いことはない。
改めて自分が言いにくいことを素直に伝えようと思う。

関連パターン

7.19. テーマや聴きたいことを備えておく

はじめに

予めテーマや聴きたいことを持っておくことで、話すことがなくなった場合の手助けになる

要約

何を話していいか戸惑うケース、雑談で終わってしまうケース、話が続かないケースなど発生することがある。そうなると気まずく感じたり、場の意味を感じられなくなったりすることがある。
話すテーマや聴きたいことを準備して相手が話すことがなく困っている場合にはリードすることで会話を進めることができる。

状況
  • 最近どう?といったふんわりした振りになりやすい

  • 部下のための時間として構えていると、相手が話ができずに詰まってしまったり、沈黙の時間ができる

  • 話題がないな、今日話すことないなという場面に遭遇する

問題
  • 時間を作ったがなんのための時間なのかお互いわからないままに、雑談などを行い、目的なく終了してしまう

  • お見合い状態が起きてあたり触りのない会話となってしまったり、なんのための時間がわからないまま終わってしまったりする。

  • お互い話す機会がマイナスなイメージで終了してしまう可能性がある

フォース
  • そもそも自分から話すことに慣れていないことも多い

  • 突然話そうとしても話を聞く側も悩んでしまう場合がある

  • 組織やチームとして1on1をやることが先行して決まっているケースもある

  • 自分で何に困っているか、なにを話していいのか認知できていない場合には自分から話し出すのが難しいこともある

解決方法

テーマを複数持っておき、インタビューっぽく聞いてみてまず話すことになれてもらう

テーマ例
  • 仕事の相談など短期的なテーマ

  • チームや会社などにおいて思うこと

  • キャリアなど長期的なテーマ

  • 本人の特性や性格など

そのほかには、普段から本人の様子を観察しておくことでテーマを見つけていく方法や、話していくうちにこのテーマ話したいよねとなったらそのテーマについてより深く語ることとする

結果状況
  • どんな話をしていい場なのかイメージができるようになっている

  • 戸惑わず進行することようになっている

  • 話始められる

  • 次回につなげやすくなっている

使用例

話す場を設定して相手に話すことを促したものの、最近の仕事や雑談をしたところで「何を話したらいいですかね」と会話が止まってしまった。

自分のことを語れるタイプや場があれば話すことができる関係性の場合はいいが、確かに「いきなり話せ」と言われても、話すことに慣れていないと戸惑ってしまうようだ。その日は一旦それで終わってしまった。

前回の反省を踏まえて、いくつかテーマを用意したり、最近の仕事で気になったことをストックしてみた。一通り相手が話し終わったところでテーマをだしてみると、相手が話やすくなったようで、色々知ることができた。今後も用意しておこう。

関連パターン

7.20. 問題と不安を分離する

はじめに

不安を感じたら、不安の中から問題を取り出して解決を図ることが重要だ

要約

不安から行動を起こした結果、同時に不安に着目してしまい不安が増してしまうことがある。
1on1を不安と問題を客観的な立場で分離するのに有効な時間として利用してみよう。
また対処を試みている問題の解決結果が不明確な時も、実は感じた不安が問題にすり替わっていないか確認してみよう。

状況
  • 課題の解決策に対して元になる課題や問題が明確になっていない

  • 解決が困難で結果の見えない問題と戦い続けている

  • 不安の解決を求めて時間を使っている

  • 問題があると感じるが明確な解決結果が見えない

問題
  • 不安を抱えたメンバーが組織に不安を解決する力がないと思い込んでしまう

  • 不安が伝染してチーム全体に不安が渦巻いてしまう

  • 具体的な不安を口に出すことがなくなり、簡単に解決できる隠れた課題すら隠れてしまう

フォース
  • 不安のようなネガティブな感情をオープンにするのは良くないことだという固定概念

  • 不安の詳細を他人と共有するためには勇気が必要

  • 不安を感じると、考えるより先に避ける行動をとってしまう

  • 不安と問題を一人で分離するのは難しい

  • 不安に着目することで不安が増大することがある

  • 1つの不安でも要因は複数あるため不安は完全に無くならない事に気づきにくい

解決方法
  • 不安の詳細を共有しながら解決すべき問題が混ざっていないか確認してみよう

  • 誰しも不安は感じることがある認識を元に、相手が抱える不安の存在に理解を示しながら進めてみよう

  • 不安を感じる理由を自分の問題、人間関係の問題、組織の問題、業務内容の問題と分類して深掘ってみよう

  • 具体的に解決が可能な問題や、組織内の共通の課題について解決方法を考えてみよう

  • 現実的なリスクが不安につながる場合は、そのリスクと解決策の費用対効果を考えてみよう

結果状況
  • 明確な課題と解決策および解決した時に想定される状況を共有して取り組めている

  • メンバーを不安を理解し感情と課題の分離をしながらチームで課題解決を行うことができる

  • 成果につながる取組みへの割合が増えることで、チーム内の不安が減る

使用例

あるソフトウエアの開発においてスケジュールを大幅に超過することがわかった。
チームはスケジュールに対する不安を口にして、毎日打合せを行なっていたが解決することはなかった。
メンバーとの1on1の中で不安を分解していくと、スケジュールの遅延の原因は大幅に増加した機能実装だった。
対象となる機能は顧客要望による集計機能だった。当初は表形式での表示で提供する予定だったが、便利な機能がないと顧客に使ってもらえないと不安になり、カラムでのソート機能や絞り込み機能を追加していた。さらに集計結果をグラフで表示する機能まで追加されていた。
メンバーはその全てがないとお客様が契約を解除してしまうという不安から機能追加を行い、その不安はスケジュールに対する不安、そして顧客と約束した営業メンバーへの不満に繋がっていた。

関連パターン

7.21. お互いの取説を作って更新していく

はじめに

人はお互い違う特徴、考えを持っているので価値観や特性などお互いのことを知っていきながら仕事を進め方を考える

要約

仕事の得意不得意、進め方は人によって異なる。それを知るためにはお互いの特性や考え方を知る姿勢をもち、お互いの情報を更新していく

状況
  • 仕事においてこのくらいやるものだろうと思って言った時にやらない場合がある

  • 言ったつもりが伝わらない場合がある

  • 相手がやりやすく、自分にはあっていないやり方を提案される

  • 結果ではなくやり方の部分が気になってしまう

  • 進んでいる状況が見えずにイライラしてしまう

問題
  • お互いの前提を省くと会話が成り立たない場合ややってくれないことへのストレスなどすれ違いが生じる

  • 相手のことを想って仕事をアサインしたり、サポートしたつもりが相手が望んでおらず逆効果になる

  • 良かれと思って対応したことが裏目に出ることがある

フォース
  • 自分にとっての当たり前は相手にとっては当たり前ではないかもしれない

  • 自分にとっての当たり前は気づかないため、お互い意識しないと前提がずれていることに気づけない

  • 一度こうだと思い込んでしまうと相手を決めつけてしまう。相手は環境・立場・タイミングで特性が変わることを意識しにくい。

解決方法
  • 仕事の価値観や進め方などをお互い言葉にして相手に伝えてみる

  • 違和感を言葉にしてお互いの違いを話してみる

  • どういったことが得意不得意かを知っていく

  • どのように伝えたらいいか、より伝わる方がわかる状態にする

  • 一旦確認して上記のような解決方法を試してみて、反応や実務の様子などをみて、異なると感じたら更新していく。

結果状況
  • お互いに配慮できるため、仕事が円滑に進む

  • 仕事を依頼する際にどんなふうに伝えるといいかわかる

  • 仕事のレビューや進捗共有を進めていく際にどんな観点が相手が気になっているかを踏まえて共有できる

  • 相手と話すなかで自分の特性がわかり、自分からどうしてほしいか言える

使用例

私の新人時代は仕事を進めるうえでどんどん周りにききながら仕事をしていくタイプなのだが、Aさんはなかなか周りにきかずもくもくと取り組んでおり、声をかけてももう少し時間くださいと言われてしまう。確かに手が止まっているわけではないのだが、こちらとしては状況が気になり、心配になる。

そんなことが頻繁に起こっていたので、上司としては心配だし、状況を知りたいという面があること、その上で自分が新人のときは人にきくことで自分の思考が整理されるのでどんどん話かけにいった話をまずしてみた。Aさんは「話すことのほうが仕事勧めやすいのか」と目を丸くして驚いていたようだった。Aさんの話をきいてみると、まずは自分で整理してみないと言葉にだすのが難しいとのこと。まとまってない状態で話しても混乱してしまう。でも進捗が知りたいのは理解したと話してくれた。
Aさんが話してくれたおかげで考えていたことが知れてよかった。二人で数日たったら状況だけ共有することとし、Aさんが説明に困っていたら待つことを伝えることができ、お互いのことを知れた。

関連パターン

7.22. あえて利害関係の無い人と実施してみる

はじめに

実際の利害関係があると話しにくいこともあり、話すことで不可逆な変化が起こってしまう懸念もある。また、同じような人と話すことでいつものパターンに陥ってしまうこともある。その際には、あえて他部署の人や外部の人と1on1をするなどしてみる方法もある。

要約

利害関係のある人と対話できるに越したことは無いが、実際には利害関係のある上司や部下との対話には、不可逆な変化が起こってしまうリスクもある。また、同じような人と話すことでいつものパターンに陥ってしまうこともある。その際には、他部署の人や外部の専門家と1on1を実施してみるという選択肢もあるだろう。

状況
  • 利害関係があることで、本音で話すことにためらいやリスクがある

  • 立場や状況的に、間に挟まれてしまっている

  • 決まっていない方向性について、曖昧な状態だが話してみたい

  • 言っても仕方ない、といった負の期待が出てしまっている

問題
  • 利害関係があると、話すべきことが話せない(知ることができない)

  • 利害関係がある人に話したことで、不可逆な変化が起こってしまう

  • 話せていても課題や解決策案が「いつものパターン」になりがちである

  • 壁打ちができず、検討が進まない、理解が深まらない

フォース
  • 組織構造上、利害関係がある人と1on1をすることが多い

  • 利害関係がないのに1on1をすることにためらいがある

解決方法
  • 斜め部署やチームと1on1をする

  • 外部の1on1専門家を呼ぶ

  • 悩みや相談ごとに対する専門家と1on1を実施する

結果状況
  • 本業務に極力影響しない形で壁打ちできて、自身の理解や検討が進む

  • いつもとは違う結論や視点を得られる

  • 自身の情緒面の整理がつきやすくなる

使用例

1on1とは言うものの、その人に言いたいことがあったりするが、利害関係があって話せないことがある。また、その人と長年仕事をしているなどで、1on1をしても「いつものパターン」になってしまうことがある。
そこで、あえて利害関係がない人と1on1をしてみる。そうすることで本来の業務とは違ったところで壁打ちできて、検討が進むことがあるかもしれない。検討が進むかどうかとは別に、話すことで心理面で自分の中で整理がつくことがあるかもしれない。

7.23. 記憶が薄れない程度に実施する

はじめに

前回の記憶が薄れない間に次の1on1を行うことで関係性を向上したり情報の希薄化を防ごう

要約

1on1には日常の業務で築きにくい関係性の向上や、業務報告で拾えないような些細な問題が大きくなる前に拾い上げ対策に繋げるための有効な手段だ。
一方でその有効性を上げるには、関係性の変化が起こりやすい間隔や、些細な問題を話せる頻度を意識して設計する必要がある。

状況
  • 久しぶりの1on1で会話の最初に『前回何を話したっけ?』と聞いてしまう

  • 2人で頑張って思い出したり、メモを見て遡ってやっと今回の話題が始まる

  • 前回の1on1の内容が現場に活かされたのか実感が薄い

  • 前回の1on1で会話した内容と、今回の1on1の会話の内容に連続性がない

問題
  • 1on1を通してなだらかな変化を期待しているのに実際は場当たり的な対応に終始してしまう

フォース
  • 日常業務の忙しさによる予定確保の難しさ

  • 頻繁な予定変更によっる未実施期間の増加

  • 1ヶ月に1回など目的に応じた設計意図の見えないルール

  • メンバー全員1on1など1on1の周期性を阻害してしまうルール

解決方法
  • 前回の内容を自然に思い出すのが難しい場合は半分程度まで期間を狭める

  • 一回の時間を減らして期間当たりの回数を増やす

  • 1on1実施対象となる一人当たりのメンバーの人数を減らす

結果状況
  • 前回までの流れを自然に意識しながら、今回の話題に向き合えることで変化した部分と安定している部分を認識できる

  • 日常の変化と実際の取組みなどコンテキストの共有と同期性を持って向き合うことで双方の違いや共通点意識しやすくなり対話に発展性が生まれる

使用例

Aさんとの1on1で前回の振り返りをしようとしても、何を話したか思い出せない。
改めて手元のメモをみると前回の1on1の内容は記録されているものの、いまいちピンと来ない。すでにその話題に対する熱量も失ってしまったようだ。
Aさんとの1on1は他の人と同じ2週間ごとの設定だったが、思い返すと他の会議で1on1の予定をスキップしてしまったり、話題がないからとスキップしてしまったことで期間が空いてしまっていた。
改めて1on1を1週間ごとにして頻度高く進めながら、会話の温度感を維持できるように進めてみよう。

関連パターン

7.24. 組織の構造を知り、テーマと照らし合わせる

はじめに

コンウェイの法則=「製品のアーキテクチャは組織の構造を反映したものになる」という言葉がある。1on1で取り組もうとしているテーマも、これと同様に実は組織の構造を反映してしまっているかもしれない。

要約

個別具体のテーマを話す前に、まずは組織の構造を書き出してみよう。そうすることで、自分のテーマが組織の構造に従ってしまっていることに気付けるかもしれない。そうすると、自分のテーマに対する打ち手が変わってくる可能性がある。

状況
  • ステークホルダーが見えにくい・分からない

  • 解決しにくい課題が溜まってきている

  • 解決したと思ったら、しばらくするとまた同じ問題が起こっている

  • いつまでも課題が解決しない

問題
  • 取り組もうとする課題が個人の課題ではなく、実は組織の課題を継承してしまっている

  • 実は個人で改善しにくい課題に取り組んでしまっている

フォース
  • 認知バイアスの「根本的な帰属の誤り」に陥り、個人の気質や能力のせいにしてしまい、状況のせいにしにくい

  • 原因が組織構造にあること自体に思い至りにくい

解決方法
  • 組織の構造を自分の言葉で書いてみる

  • 書き出した組織構造から、自分のテーマと照らし合わせてみる

  • 一旦、組織構造の問題と個人の問題を切り分ける

  • 組織構造の影響を受けにくい解決策を考える

結果状況
  • 課題を解決するために、誰を巻き込むかが分かる

  • 対処案が個人の頑張りではなく、組織課題として取り組む必要があることに合意できる

使用例

これまで1on1で、「希望するプロジェクトになかなか関わらせてもらえない」というテーマは繰り返して話してきた。しかし、なかなか解決できていない。これまでは個人の資質の話だと思っていたが、少し引いて考えてみると、実は組織の区割りの話だったりしないだろうか。
次の1on1では、ホワイトボードツールで事業部やチームを書き出してみて、組織の構造や関係性を図にしてみよう。そうすることで解決策がみえてくるかもしれない。

8. 用語集

フィードバックループ

反応が返るところまでが本来のフィードバックだが、転じて、その反応を受けて、再度返すところを含めて「フィードバック」としていることもある。本書では一連の流れ全体を「フィードバックループ」として記載している。

中動態

意思のある「能動態」でも、受け身である「受動態」でもない、昔は存在していたとされる意思の介在しない態。現代では、北海道弁の一部(「押ささる」)に残っているとされる。パターン・ランゲージとの関連としてはフォースとされるものの影響が、心理学との関連としては習慣とされるものが影響している。

プロトコル

慣行や慣習、運用、手順、物事の言い表し方など、組織の文化や個人のバックグラウンド、現場の実情や慣習に応じて成立するコミュニケーションの基本原則。成文化されていない純粋な慣例も多く、その内容は時と必要に応じてさまざまに変化する事を前提としている。

間合い

日常生活の中で、スポーツやコミュニケーション、様々な対人の仕事の現場などに溢れているもの。時間の流れの中で、空間的な位置関係を元に発生するインタラクティブな現象。

コンテキスト

コミュニケーションを成立させる共有情報のこと。言葉の意味には幅があり人や立場、状況やタイミングなどによって意味が異なることが多い。コミュニケーションをとる関係者間でその関係性、背景や状況に対する認識を共有・同意しておくことで会話や理解を成立させることが可能になる。

メタファー

暗喩と呼ばれる比喩表現の一種でありつつ、比喩であることを明示的にしないもの。 物事のある側面をより具体的に想像を喚起する言葉に置き換えることで、簡潔に表現する機能をもつ。 「あれと一緒だよ」といった片方の知識だけで語られるものとは異なり、お互いの経験や知識を使ったたとえ話。

フォース

パワーとは異なる力を表す言葉。本書では特に組織上の特権やランクなどの「権力」、「インセンティブ構造」や「認知バイアス」といった「影響力」を伴う事柄において広範に使っている。 パワーは「スキル」などの能力や、明確な「権限」を指す場合に用いる。

9. ライセンス

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9.2. 再利用

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9.3. 初版の著作者

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